主に大学生を狙ったUSB等の「情報商材」を使ったマルチまがいの投資詐欺が横行しています。

近年、主に大学生を狙ったUSBを使ったマルチまがいの投資詐欺が横行しています。

どういった仕組みかというと、「USBメモリ」を高額で、しかも学生ローンを組ませてまで購入させるのです。ではなぜUSBメモリを買ってしまうのかというと、「このメモリには“投資のノウハウ”が入っている」と宣伝して、そのノウハウ通りに投資をしていくと必ず儲かる、といったような説明、場合によっては執拗な勧誘をうけるようです。

実は私も先日、地元(東京都北区、足立区、豊島区、板橋区)地域の方から、知人のお子さん(大学生)が、友人に勧誘されて投資ノウハウの入ったUSBを購入するため、消費者金融会社2社から合計80万円ものローンを組んで購入してしまった、という相談を受けました。

私は議員になる以前、長く金融業界で働いてきましたので、投資については知識も経験もあります。そこでこのご相談を受けて、USBにおさめられたデータを見てみました。するとなんと、全くありふれたバイナリーオプション(為替取引の投資方法の一種)についての説明で、1,000円程度で買える本にでもあるような内容のものでした。これを、ハタチそこそこの若者が、ローンを組んで80万円もの借金をして購入しているーー80万円というと、社会人であっても、かなりの金額。ましてや、学生にとってみれば、見たこともない大金です。そして、さらに問題なのは、この相談者のお子さんは、自身が購入の勧誘を受けた時に、自分の友人を勧誘すると5万円の報奨金が出るといった話もされていたこと。いわゆる、マルチ商法にあたると思われます。この相談者は契約して間もなかったので、「クーリング・オフ」の手続きをして、契約を解除しました。

こうした「情報商材」をめぐるトラブルは、近年、大学生を中心に年々増加しています。消費者庁の調べでは、20歳代の若者の「情報商材」をめぐるトラブルに関する相談は、2015年には254件だったところ、2020年には2,558件に増加。6年間で10倍に増加しているのです。

「情報商材」とは、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売している情報のことで、媒体としては、USBやPDF等の電子媒体、動画、メールマガジン、冊子、DVDなどがあります。収入の少ない学生を相手に、このような詐欺まがいの高額商品を売りつけ、資金がないと見るや、高利の学生ローンを組ませるという悪質な商法がはびこっています。

消費者庁は今年2月に新宿区の2業者を「特定商取引法」違反の容疑で営業停止処分を行いましたが、これらは氷山の一角であると考えます。法をかいくぐるため、海外に事業会社を置いている場合もあり、こうした詐欺商法を根絶させる必要があります。

私は行政処分として営業停止だけではなく、例えばこれまで契約させられた方への返金義務等を法的に明記するなど、規制強化のための法改正を行う必要があると考え、消費者庁に取り締まりの強化を要請しました。また、大学生が主なターゲットになっていることを鑑み、昨日(2/25)開催された衆議院・予算分科会では、文科省に対して大学等において、例えば新入生ガイダンスなどの機会を活用して、注意喚起をしていただきたいと強く要望しました。

金融業界で長年働いてきましたが、「必ず儲かる投資」というものは、絶対にありません。一朝一夕の知識でうまくいくような投資の話があっても、絶対に信じてはダメです。勉学が本業であるべき大学生に借金までさせて騙すような事業者は、厳しく取り締まると同時に、それらを寄せ付けない、騙されない知識を身につけばければなりません。日本の宝とも言うべき若い世代をしっかりと守り、悪徳業者を根絶するために、これからもしっかり働いてまいります。

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この記事を書いた人

岡本みつなりのアバター 岡本みつなり 衆議院議員

米ケロッグ経営大学院修了。ゴールドマン・サックスを経て、公明党衆議院議員(4期目、東京12区選出)。衆議院経済産業委員長。元外務大臣政務官。元財務副大臣。 東京29区(荒川区全域・足立区西部)総支部長。矢沢永吉さんの大ファン。

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