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若者会議には、米国の名門・ニューヨーク大学に通う学生さんも、夏休みで帰国中だという事で、参加して下さいました。彼の質問は、「労働力不足の問題に関して、外国人労働者(主に東南アジアから)を受け入れると、問題は解消されるのではないでしょうか?」です。20歳にして、この問題意識、本当に素晴らしい。

労働力不足は、日本経済の最大のリスクの一つだと考えます。この問題が足元で顕著な業界は、建設業・介護・小売業などです。まず、問題解消の為に重要な事は、賃金をあげる事です。仕事の内容に比べて賃金が安い事が、人手不足の大きな要因となっているからです。自公政権となって5年の間に、ある程度の賃金上昇は実現しましたが、まだ足りません。ここには、継続的な取り組みを行います。

その上で、労働力不足を補う為に、安易に外国人労働者を多く迎え入れる事に関しては、慎重であるべきだと考えています。諸外国でこの手法を取った国は、その外国人労働者がリタイアした後の、彼らに対する社会保障費の増大に大変苦労しています。また仮に、単純作業の担い手、安い労働力として入ってくる事になれば、彼らに対する安い賃金が、日本人の賃金をも減少させる要因になりかねません。

現在我が国には、外国人技能実習制度というものがあります。これは、建設や介護等に携わる外国人が、技能を習得する為に日本で最長5年間働ける制度です。この制度の目的は、安い労働力を増加させる事ではないので、雇用する会社は外国人に対して日本人と同等の給与を払う必要があります。そして研修終了後には、日本で身につけた技能を生かし、母国で事業を拡大してもらおうという国際貢献事業でもあります。日本で技術を習得できれば、その人は母国でプロとして一生食べていくことができます。

この制度により、日本の労働者不足解消に一定の効果があると同時に、外国人専門家育成という国際貢献もできますので、日本と途上国双方にとってWin-Winの関係を築くことができます。

外国人人材という点でいうと、日本経済を引っ張ってくれるプロフェッショナルな人材を海外から迎え入れる事も重要だと思います。カルロス・ゴーン氏などは良い例です。ダイバーシティ向上という側面からも、重要な政策だと考えます。

また、労働力不足を解決する中長期的な戦略としては、AIやロボット技術の更なる活用が大切だと考えています。これが有機的に機能すれば、生産性の向上にも大きく寄与して、賃金の伸びにも繋がっていきます。

何れにしても、外国人労働者に対する政策は、今後最もホットになるトピックの一つです。特に、若い方々の働く環境に直接影響が出てくる政策ですので、慎重に議論を重ねていきたいと考えています。

☆講演中_4